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菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
② 筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)

三大名作のひとつ!
讒言により太宰府へ流刑された菅原道真にまつわる悲劇と奇跡の物語。

① 加茂堤  ② 筆法伝授  ③ 道明寺  ④ 車引  ⑤ 賀の祝  ⑥ 寺子屋

本外題:

菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

カテゴリー:

三大名作

主な登場人物:

菅 丞相(かんしょうじょう)
右大臣、菅原道真。博学偉才、書道の達人、知徳にたける。息子は菅秀才(しゅうさい)七歳。
時平 公(しへいこう)
左大臣、藤原時平。帝の位を狙う巨悪。
斉世親王(ときよしんのう)
醍醐天皇の弟。17歳。丞相の養女・苅屋姫(かりやひめ)と密かに恋仲。
苅屋姫(かりやひめ)
菅丞相の養女。16歳。斉世親王(ときよしんのう)と密かに恋仲。
梅王丸(うめおうまる)
牛飼い舎人(とねり)として菅丞相に仕える。松王丸、桜丸とは三つ子の兄弟。妻は春(はる)。
松王丸(まつおうまる)
三つ子のひとりで、牛飼い舎人として時平に仕える。妻は千代(ちよ)。息子は小太郎(こたろう)。
桜丸(さくらまる)
三つ子のひとりで、牛飼い舎人として斉世親王に仕える。妻は八重(やえ)。
武部源蔵(たけべげんそう)
菅丞相の書道の弟子。菅丞相のお屋敷で腰元をしていた戸浪(となみ)と密通したため破門の身。妻は戸浪(となみ)。
左中弁 平希世(さちゅうべん たいらのまれよ)
菅丞相の書道の弟子。丞相が失脚すると時平の側に寝返る。
三善清貫(みよしの きよつら)
時平の家来、悪役。

ストーリー・あらすじ:

筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)

「書道の奥義を後継者に伝えよ」という筆法伝授の帝の勅命を受けて、菅丞相はお屋敷の一室にこもり、後継者選びという神事に専念しています。

息子の菅秀才は7歳でまだ幼く伝授はできません。お屋敷に出入りしている弟子の左中弁希世(さちゅうべん まれよ)は、自分こそが伝授を受けるものだとうぬぼれていますが、地位や名誉欲しさの俗っぽい本性では到底、丞相の気に入る書は書けません。

熟考の末、丞相は武部源蔵(たけべ げんぞう)をおいて筆法を伝授できるのは者はいないと考えます。源蔵はかつて弟子でしたが、腰元の戸浪と恋愛が咎められて、今は戸浪共々勘当されています。当時はオフィスラブは厳禁です。丞相は源蔵を呼び寄せます。

呼ばれてお館に来た源蔵夫婦。聞けば、寺子屋をして細々と暮らしているとのこと。丞相も「いやしからぬ生業(立派な仕事だ)」と認めています。丞相は自ら書いた手本を見せ、その場で源蔵に書かせて実力を試します。嫉妬した希世がしきりに源蔵の邪魔立てするものの、源蔵は見事に清書して見せます。

丞相は満足し源蔵に筆法を伝授そます。源蔵は弟子に戻れるのかと喜ぶが、「伝授は伝授、勘当は勘当、さっさと出て行け」と勘当は許さない丞相。厳格な丞相です。

そこへ宮中より「すぐに参内せよ」と使者が来ます。丞相が正装に着替えて出かけようとしたとき、冠のひもが切れて落ち、「これは不吉なことがおこる前兆か」と心配しながらも出掛ける丞相。もう二度と丞相様に会えないのかと泣きながら別れを惜しむ源蔵夫婦です。

築地(つきじ)

丞相が三善清行(みよしの きよつら)ら役人に囲まれて館に帰って来ます。親王と苅屋姫の密会が露見し「帝を退け親王を帝位につけ、自分の娘を皇后にしようという陰謀で、謀反の企てだ。」と讒言にあい、丞相は無実の罪に陥れられたのでした。官位ははく奪、九州・大宰府へ流罪との処分は決まりました。朝廷に手向かいはしない丞相。お館は封鎖されます。丞相の大事を聞きつけて戻ってきた源蔵夫婦は、梅王丸から密かに丞相の息子・菅秀才を受け取り、自分の家にかくまうことになります。

① 加茂堤  ② 筆法伝授  ③ 道明寺  ④ 車引  ⑤ 賀の祝  ⑥ 寺子屋

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