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義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
② 鳥居前(とりいまえ)

兄・頼朝に追われる義経、死んだはずの平家の武将、滅びゆく者の悲哀を描く

① 序幕・北嵯峨庵室・堀川御所  ② 鳥居前  ③ 渡海屋・大物浦  
 ④ 木の実・小金吾討死・すし屋  ⑤ 道行初音旅・川連法眼館

本外題:

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

カテゴリー:

三大名作

主な登場人物:

源義経(みなもとの よしつね)
九郎判官源義経(くろうはんがん みなもとの よしつね)。源平合戦で平家を討伐するが、その武力を恐れた兄・頼朝に嫌われ追われる身となる。
佐藤忠信実は源九郎狐(さとう ただのぶ・げんくろうぎつね)
佐藤四郎兵衛忠信(さとう しろうびょうえ ただのぶ)は義経の忠臣。兄の佐藤嗣信(さとう つぐのぶ)は義経に向かって飛んできた矢に身を投げ出し死んだことから、義経から信頼は厚い。源九郎狐は初音の鼓に惹かれて忠信の姿に化けて現れる白狐。
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
義経の家臣。主君を守るため義経のいる堀川御所に攻めてきた鎌倉方の武将を討ち取り、義経の立場を難しくしてしまう。
静御前(しずかごぜん)
義経の愛妾。母・磯禅師(いそのぜんじ)は白拍子。舞の名手。
亀井六郎(かめい ろくろう)、片岡八郎(かたおか はちろう)、伊勢三郎(いせ さぶろう)、駿河次郎(するが じろう)
義経の家臣たち。
逸見藤太(はやみの とうた)
義経を捕らえにやってくる「道化敵」。

ストーリー・あらすじ:

鳥居前(とりいまえ)

義経と駿河、川越の三人は伏見稲荷まで逃れてきます。後から静御前が追いつきます。静御前は自分も一緒に行きたいといいますが、義経は女人禁制の多武峰(とうのみね:奈良県桜井市)の寺へ行くので連れて行けません。

遅れて弁慶が追いつきます。「弁慶のおかげで卿の君の死が無駄になった」と義経は怒り、扇で弁慶を何度も叩きます。弁慶は涙をはらはらと流し謝ります。静も一緒に謝ってくれてようやく弁慶は許されます。

義経一行は、多武峰へ行くのはやめて、船で西国へ向かうことにします。やはり危険な船旅のため静を連れて行くことはできません。一緒に行きたいと訴える静に、形見だと「初音の鼓」を与えます。静は同行を許されないのならこの場で死ぬというので、しかたなく鼓の調べ緒(しらべお)で静を木に縛り立ち去ります。

一人残された静。追手の残党・逸見藤太(はやみの とうた)に見つかります。藤太は鼓を奪い、静を連れて行こうとします。そこへ義経の家来・佐藤忠信(さとう ただのぶ)が現れます。忠信は不思議な力を使って藤太を討ち取り、静を助け鼓を奪い返します。実はこの佐藤忠信は白狐が化けているのですが、その真実がわかるのは四段目です。

助けられて静は大喜び、義経一行も戻ってきて忠信を褒めます。義経は褒美に自分の大鎧と自分の名前である「源九郎」を与え、これからは「源九郎忠信(げんくろう ただのぶ)」と名乗り、静を守れと命じ、静を忠信に預けて別れます。

① 序幕・北嵯峨庵室・堀川御所  ② 鳥居前  ③ 渡海屋・大物浦  
④ 木の実・小金吾討死・すし屋  ⑤ 道行初音旅・川連法眼館

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