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義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
④ 木の実・小金吾討死・すし屋(きのみ・こきんごうちじに・すしや)

兄・頼朝に追われる義経、死んだはずの平家の武将、滅びゆく者の悲哀を描く

① 序幕・北嵯峨庵室・堀川御所  ② 鳥居前  ③ 渡海屋・大物浦  
④ 木の実・小金吾討死・すし屋  ⑤ 道行初音旅・川連法眼館

本外題:

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

カテゴリー:

三大名作

主な登場人物:

いがみの権太(いがみのごんた)
すし屋弥左衛門の息子、無法者で勘当同然の身。最後に改心し、平維盛の妻子の身代わりに自分の妻子を差し出して自らも死ぬ。
若葉の内侍(わかばのないし)
平維盛の正室
六代(ろくだい)
平維盛の子。
主馬小金吾武里(しゅめの こきんご たけさと)
主馬小金吾武里(しゅめの こきんご たけさと)。維盛の忠臣。
弥助 実は三位中将維盛(やすけ・さんみのちゅうじょうこれもり)
平維盛。維盛は平氏棟梁である平清盛の嫡男・重盛の長男として生まれた。
すし屋弥左衛門(すしや やざえもん)
吉野の下市村(しもいちむら)の釣瓶鮓屋(つるべすしや)の主人。釣瓶鮓は、酢でしめた鮎(あゆ)の腹にすし飯を詰めて桶に入れたもの。その桶の形が井戸水を汲む「釣る瓶」に似ていることから付けられた。
小せん(おせん)
いがみの権太の妻。
お米(およね)
いがみの権太の母。弥左衛門の女房。
お里(おさと)
弥左衛門の娘。いがみの権太の妹。下男・弥助と祝言を上げようとしていた。
猪熊大之進(いのくまだいのしん)
左大臣藤原朝方の家来。若葉の内侍、六代を追っている。
梶原景時(かじわらかげとき)
鎌倉方の武将。維盛を追って高野山へ来た。

ストーリー・あらすじ:

木の実(きのみ)

平維盛の正室・若葉の内侍、六代、小金吾の一行は、維盛の消息を尋ねて高野山へと向かっています。途中、吉野の下市村(しもいちむら)の茶屋で休憩していると、旅の男に言いがかりをつけられ金を強請り取られてしまいます。このならず者の名は「いがみの権太」。素行が悪く、すし屋を営む親の弥左衛門(やざいもん)からは勘当も同然に見限られています。茶屋の女・小せんは権太の女房で亭主の改心を願っていますが権太は耳を貸しません。善太という子供がいます。

小金吾討死(こきんごうちじに)

若葉の内侍と六代を追って、藤原朝方の家来・猪熊大之進が迫ります。小金吾は、若葉の内侍と六代を逃し、大之進とその手下たちを切り捨てますが、自分も深手を負って息絶えます。

そこへ釣瓶(つるべ)すし屋の弥左衛門(やざいもん)が通りかかり、小金吾の亡骸を見つけます。念仏を唱えて手を合わせる弥左衛門は、通り過ぎるも何を思ったかすぐに引き返してきて、小金吾の首をかき切って持ち去っていきます。

すし屋(すしや)

弥左衛門の釣瓶すし屋では、弥左衛門の女房・お米と娘・お里が商いに励んでいました。お里と下男の弥助と祝言をあげることになっています。弥助は父親が連れてきた若者でお里は上機嫌です。

そこへ弥左衛門の息子、勘当同然の素行不良のいがみ権太が帰って、母親をだまして金・三千貫を取ります。父が帰ってきたので、三千貫をすし桶に入れて隠れます。

帰ってきた弥左衛門は、持ってきたすし桶には小金吾の首が入っています。すし桶を隠します。そして弥助と二人だけになったとき弥助に鎌倉の追手が来ているので逃亡するように勧めます。実は弥助は平維盛(たいらのこれもり)で、弥左衛門に匿われたいたのでした。

夜になって、すし屋に内侍と六代が一夜の宿を乞いに来ます。弥助こと維盛らは夫婦・親子の再会を喜びます。弥助の素性を知ったお里は嘆き悲しみます。そこへ村役人が来て鎌倉方の梶原景時(かじわらかげとき)が来るという知らされます。維盛ら親子は、お里の勧めで弥左衛門の隠居所で身を隠そうと逃げていきます。陰で権太が一部始終を聞いていました。権太は3人を捕えて褒美をいただこうと後を追っていきます。

手勢を率いた梶原景時がすし屋に現れます。弥左衛門は「維盛はもう首してある」と偽首が入っているすし桶を開けようとします。ところがお米はそのすし桶は自分が内緒で権太にやった三貫目が入っていると思って開けさせまいとします。もめている間、梶原に2人とも疑われて引っ立てられそうになったとき、権太が維盛の首の入った桶を持ち、内侍と六代を縛り上げて登場し、梶原に引き渡します。梶原はその働きに免じて父が維盛を匿った罪を許してやるといいます。ところが権太は父の命はいらないから他に褒美が欲しいと言うので、梶原は頼朝の陣羽織を与え、内侍と六代を引っ立てて立ち去ります。

梶原が去り、梶原を見送った権太が家に入ろうとしたとき、弥左衛門の怒りが爆発します。弥左衛門は権太を刀で突き刺します。苦しみながら権太は弥左衛門に言います。これは維盛を助けるためのもので、維盛の首は父が持ち帰った小金吾のもので、内侍と六代は自分の女房・小せんと子供・善太だと真実を明かします。権太は改心していたのでした。女房の小せんと息子の善太も、権太の改心のために自ら進んで身代わりになったと話します。

弥左衛門はこれを聞き嘆き、維盛と内侍も涙し、せめてもの仕返しにと頼朝の陣羽織を切り裂くと中から袈裟と数珠が出てきます。維盛に出家したら命は助けるという頼朝の意味です。鎌倉方にはすべて見破られていたことを知ります。権太は息絶えます。内侍と六代を高雄山の高僧・文覚に預け、維盛は高野山で出家することを決意します。

① 序幕・北嵯峨庵室・堀川御所  ② 鳥居前  ③ 渡海屋・大物浦  
④ 木の実・小金吾討死・すし屋  ⑤ 道行初音旅・川連法眼館

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